「誰も見てないのに、みんな買ってる」
──インデックス投資と“美人投票”の罠
最近、あるYouTube動画を見て、胸の奥がざわついた。
インデックスファンドに投資している自分にとって、まるで鏡を突きつけられたような感覚だった。
その動画で、経済学者の飯田泰行さんが語っていたのは、インデックス投資の“裏側”にある前提。
それは、「誰かが個別株を真剣に分析しているからこそ、インデックスが機能する」ということ。
でも、もし世界中の投資家が、個別株を見ずにインデックスだけを買うようになったら?
飯田さんは、そんな仮説を立てて、ある言葉を使って警鐘を鳴らしていた。
それが──**「美人投票」**。
美人投票って何?
これは、経済学者ケインズが使った比喩で、「みんなが“他人が選びそうな美人”を選ぶ」ような投票のこと。
つまり、自分の目で見て選ぶのではなく、「他の人がどう思うか」を予測して動く。
飯田さんは、この状態をこう表現していた。
「誰も誰も誰も見てないのに、みんな買ってる」
この言葉が、ずっと頭から離れない。
本来、株式投資って、企業の業績や将来性を見て判断するものだと思っていた。
でも今、自分はどうだろう?
「みんなが買ってるから安心」
「人気があるから間違いない」
そんな理由で、オルカン(eMAXIS Slim 全世界株式)を選んでいないだろうか。
合成の誤謬──部分の正しさが、全体では誤りになる
もうひとつ、飯田さんが挙げていたのが「合成の誤謬」という概念。
個人が合理的な選択をしていても、それが集まると全体としては非合理になることがある。
インデックス投資は、個別株の分析があるからこそ成立する。
でも、みんなが分析をやめてインデックスだけを買い続けたら──
市場は、実態とかけ離れた“人気投票”になってしまうかもしれない。
投資って、誰かの顔を見て選ぶことじゃない
「美人投票」という言葉は、見た目だけで選ぶという意味ではない。
それは、“中身”を見ずに、“他人の評価”だけで選ぶという、もっと深い心理の話。
そしてそれは、投資だけじゃなく、私たちの日常にも通じている気がする。
誰かが選んでいるから安心。
みんながやっているから正しい。
そんな空気の中で、私たちは何を見て、何を選んでいるのだろう。
最後に──問いを残す
インデックス投資は、初心者にとって心強い選択肢だ。
でもその安心の裏には、誰かの“見ている目”が必要だということを、忘れてはいけない。
「誰も見てないのに、みんな買ってる」──
そんな市場に、自分も加担していないか。
この問いを、そっと胸に置いておきたい。