- 動画教材:馬渕磨理子先生の解説
- 1. トランプ関税の「違法判決」とトランプ大統領の「プランB」
- 2. アメリカ経済の変調と関税の「手仕舞い」の兆候
- 3. 日本の戦略:「大米投資」による関係強化
- 4. 今週の焦点:NVIDIA決算と市場の「死角」
- 5. 第2次高市内閣の「大臣指示書」
- 先週の市場タイムライン(2026年2月16日〜2月20日)
動画教材:
馬渕磨理子先生の解説
今回の内容は、これまでの「責任を引き受ける社会」や「フィジカルAIへの回帰」という議論を背景に、米国の司法判断がもたらす新たな不確実性と、それに対する日本の戦略的な「大米投資」の重要性を浮き彫りにしています。
1. トランプ関税の「違法判決」とトランプ大統領の「プランB」
- 最高裁による違法(違憲)判決:国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づいたトランプ大統領の関税措置に対し、米最高裁が「違憲」との判決を下しました。
- トランプ大統領の対抗策(プランB):トランプ大統領は即座に別の通商法(122条)を用いた新関税案を発表しました。これは国際収支の赤字を理由に、全世界からの輸入品に10%(最大150日間で15%まで引き上げ可能)の関税をかけるものです。
- 日本への影響は「軽微」か:日本経済にとって最も重要な自動車関税(15%)は今回の判決やプランBとは別枠で維持されるため、日本企業への直接的なダメージは限定的(軽微)であると分析されています。
2. アメリカ経済の変調と関税の「手仕舞い」の兆候
- GDPの大幅減速:米国の10-12月期GDPは年率1.4%増と、市場予想(3%)を大幅に下回りました。
- 利上げの懸念(インフレ高止まり):FOMC議事要旨にて、関税による物価高を背景に「利上げの可能性」に言及する参加者が複数いたことが判明しました。
- トランプ大統領の思惑:経済指標の悪化を受け、11月の中間選挙に向けて支持率を維持するため、トランプ大統領は関税戦略をそろそろ「手仕舞い(緩和)」したいのではないかという見方が出ています。
3. 日本の戦略:「大米投資」による関係強化
関税問題に一喜一憂するのではなく、日本はアメリカにとって「不可欠な存在」であることをアピールするフェーズに入っています。
- 3つの戦略投資案件(赤沢プラン):
- ガス火力発電所(オハイオ州):AIやデータセンターの電力需要に応えるため、東芝や日立などが世界最大級の発電所を建設。
- 原油積み出しインフラ:米国のシェールオイル輸出を支える港湾整備に、商船三井や日本製鉄などが参加。
- 人工ダイヤモンド半導体:熱に強い次世代素材で、中国依存を脱却するために日本企業の高度な技術を供給。
- レアアースでの主導権:3月19日の日米首脳会談にて、高市総理(ソース内記述)が南鳥島沖でのレアアース試験採掘の成功を報告し、商業化に向けた協力を求める予定です。
4. 今週の焦点:NVIDIA決算と市場の「死角」
- NVIDIA(エヌビディア)の決算(25日):今週のマーケットはこれ次第と言えます。S&P500のウェイトの7.8%を占める同社の決算が、市場予想(コンセンサス)を実績・見通し共に上回れるかが最大の焦点です。
- 「SaaSの死」と日本株への追い風:AIによる代替で米国のSaaS(ソフトウェア)企業が苦戦する中、日本が強い**「自動走行、半導体、ロボット(フィジカルAI)」**といった実体のある業種に資金がシフトする動きが見られます。
5. 第2次高市内閣の「大臣指示書」
- 投資先の明確化:高市総理が各閣僚に出した最新の指示書では、**フュージョンエネルギー(核融合)**などの先端技術への投資が新規で追加されており、日本がどこにお金を投じていくのかが明確に示されています。
2026年2月16日から2月20日までの「先週の市場の動き」についてタイムラインを作成します。
この週の東京市場は、週前半に連敗を記録したものの、週半ばに過去最高値をうかがう場面を見せ、週末には地政学リスクや連休前の調整から再び下落するという、ボラティリティの激しい展開となりました。
先週の市場タイムライン(2026年2月16日〜2月20日)
2月16日(月):GDPの下振れと祝日による閑散
- 主な材料: 10-12月期GDP速報値(2四半期ぶりプラスだが予想を大きく下回る)、米国・中国など主要市場の休場。
- 市場の動き: 前週末の米国株高を受け、日経平均は57,000円台を回復して買い先行で開始(一時277円高の57,219円)。しかし、国内GDPの期待外れな結果や、海外市場の休場に伴う取引参加者の減少が重なり、買いが続きませんでした。
- 結果: 午後に時価総額の大きなセクターが売られ、日経平均は3日続落、TOPIXは続落となりました。
2月17日(火):円高進行による大幅安
- 主な材料: 米国・アジア市場の休場継続、為替の円高(152円台)。
- 市場の動き: まちまちで始まった後、一時は119円高となる場面もありましたが、買い一巡後に失速。時間外の米株先物の軟調さや円高が重石となり、午後の開始直後に一時671円安(56,135円)まで急落しました。
- 結果: 56,000円手前で買い戻されましたが、日経平均は4日続落、TOPIXは3日続落となりました。
2月18日(水):5営業日ぶりの反発
- 主な材料: 前日までの4日続落を受けた自律反発、時間外の米株先物の上昇。
- 市場の動き: 買い先行で始まり、先物主導で上げ幅を拡大。午後には一時826円高(57,392円)となる場面がありました。
- 結果: 取引終了にかけて伸び悩みましたが、日経平均は5営業日ぶり、TOPIXは4営業日ぶりに反発しました。
2月19日(木):一時過去最高値超え
- 主な材料: 米国主要株価指数の上昇、米経済指標を受けたドル高(円安)。
- 市場の動き: 続伸して開始し、日経平均は57,400円台に乗せました。午後には一時565円高(57,709円)をつけ、終値ベースの過去最高値を上回る場面がありました。
- 結果: 取引終了にかけて売り物に押され上げ幅を縮小しましたが、続伸して終えました。
2月20日(金):地政学リスクと連休前の調整
- 主な材料: イランと米国の核協議を巡る緊張の高まり、3連休前の週末。
- 市場の動き: 米国株の下落を受け、日経平均は一気に57,000円を割り込んで開始。一時786円安(56,680円)まで下げ幅を広げました。連休前ということもあり、積極的な買い戻しは入りませんでした。
- 結果: 57,000円を割り込んだまま、日経平均・TOPIXともに反落して週を終えました。