自分を育てるためのブログ

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人の問題を仕組みの問題に翻訳するときのポイント

「あの人が悪い」「やる気がない」といった個人の属性や資質に原因を求めると、感情的な対立が生まれやすく、根本的な解決にも至りません。

「人の問題」を「仕組み(システム)の問題」に翻訳するとは、**「善良で有能な人が、なぜそのミスや行動をしてしまうのか?」**という視点に立つことです。そのための主要なポイントを4つに整理しました。


1. 「動詞」を「名詞」に置き換える

個人の行動(動詞)を、環境の要素(名詞)に変換します。これにより、感情を切り離して客観的に分析できるようになります。

  • 人の問題: 「注意力が足りなくて、入力ミスをした」

  • 仕組みの問題:入力画面の視認性に課題があり、チェック工程が不在である」

2. 物理的・心理的「ハードル」を設計する

人の意識(頑張り)に頼るのではなく、物理的に「そうせざるを得ない」状況を作ります。

  • 物理的制約: 間違った操作ができないように物理的にロックをかける(例:入力必須項目の設定)。

  • 認知的負荷の低減: 記憶に頼らなくて済むようにする(例:チェックリストの常備、色分けによる識別)。

3. 「なぜ(Why)」を繰り返し、構造を特定する

トヨタ式の「なぜなぜ分析」のように、個人の失敗の背後にある構造を掘り下げます。

段階 視点 翻訳の例
1回目 何が起きた? Aさんが期限を過ぎて提出した。
2回目 なぜ遅れた? 業務量が多く、優先順位がわからなかった。
3回目 なぜ判断できなかった? 優先順位を判断する基準が明文化されていなかった。
4回目 なぜ明文化されていない? マネジメント層の役割に「基準のアップデート」が含まれていない。

4. 「報酬と罰」の設計を見直す

人は「自分にとってメリットがある(あるいは不利益を避けられる)行動」を自然に選択します。望ましくない行動が起きる場合、その行動を促すようなインセンティブ構造が隠れている可能性があります。

  • 例: 「情報共有をしない人(人の問題)」

  • 翻訳: 「共有する手間が大きく、共有しても評価に反映されない評価制度(仕組みの問題)」


翻訳の極意:人間を「変数」ではなく「定数」として扱う

「やる気を出す」「気をつける」といった人間の内面を変化させられる変数だと考えると、対策が不安定になります。

逆に、人間を**「疲れるし、忘れるし、間違えるもの」という一定の条件(定数)**として捉えることで、はじめて「その条件の下でも機能する仕組み」を構築できるようになります。

今、あなたが直面している「人の問題」は、具体的にどのような行動(あるいは不作為)でしょうか?