1. 先週の市場動向レビュー(10月13日~10月17日)
1.1. 導入:先週の市場環境の要約
先週の東京株式市場は、国内の政局不安、米国市場の動向、そして為替の変動という複数の要因が複雑に絡み合い、ボラティリティの高い一週間となりました。週初の大幅下落から一転して週半ばには反発を見せるなど、投資家心理が大きく揺れ動いた展開は、今週の市場の方向性を占う上で重要な背景情報となります。本セクションでは、先週の日々の動きを振り返り、今週の投資戦略を立てる上での基礎を固めます。
1.2. 主要な日々の動きと影響要因の分析
以下に、先週の東京市場の主要な動向を日次で分析します。
• 10月14日(火):政局不安と外部環境の悪化による大幅下落
3連休明けの市場は、前週末の公明党による連立政権からの離脱表明を受け、政局不安を嫌気した売りが先行しました。ただ、3連休中に米国株が大幅反発していたことが下支えとなり、取引開始直後には下げ幅を223円安まで縮める場面も見られました。しかし午後に入ると、米株先物の下落や1円を超える円高(一時151円台)が重しとなり、売りが再燃。取引終了にかけては47,000円を割り込み、一時46,544円(1,544円安)まで急落するなど、荒い値動きとなりました。
• 10月15日(水):前日の急落からの反動と半導体関連株主導の反発
前日の大幅下落に対する反動から、市場は買い先行でスタート。午後、オランダの半導体製造装置大手ASMLが市場予想を上回る好決算を発表したことが伝わると、半導体関連銘柄を中心に買いが広がり、相場全体を押し上げました。日経平均は3営業日ぶりに反発し、市場心理が一時的に改善しました。
• 10月16日(木):新たな連立政権への期待感から続伸
自民党が日本維新の会との党首会談を行い、新たな連立政権樹立に向けた協議を進めたことが好感され、買い材料となりました。この動きを受けて政局の先行き不透明感が和らぎ、投資家の期待感が高まったことで、日経平均・TOPIXともに続伸。日経平均は終日48,000円を挟んだ動きとなり、高値圏で取引を終えました。
• 10月17日(金):米国の金融不安と円高を嫌気した反落
米国市場で一部の地方銀行が不良債権関連の業績下方修正を発表したことで、金融システムへの信用不安が再燃。さらに、米長期金利の低下に伴うドル安・円高の進行(一時1ドル=149円台)が重しとなり、輸出関連株を中心に売りが優勢となりました。日経平均は再び48,000円を割り込み、ほぼこの日の安値で取引を終えました。
1.3. 週間パフォーマンスの総括
先週の市場は、週初に「国内の政局不安」で急落した後、週半ばには「新連立政権への期待」から反発するという、国内要因に大きく振らされる展開でした。しかし、週末にかけては「米国の信用不安」や「円高進行」といった外部要因が上値を抑え、再び下落に転じました。この一連の動きは、国内の政治動向が安定しても、海外の経済・金融情勢が市場のセンチメントを左右する不安定な地合いが続いていることを示唆しています。
こうした外部環境の変化を踏まえ、今週は日米中の重要経済指標が相次いで発表されるため、その内容を慎重に見極める必要があります。
関連動画:
馬渕磨理子先生の解説
2.動画の主なポイント
2.1.日本株の長期的な見通しと政局分析
- 金融アナリストの馬渕磨理子氏が、東洋経済に寄稿した日本株の長期見通しに関する冷静な分析を解説しています。
- 結論:高市氏または玉木氏のいずれかが政権を担う場合、基本的には成長路線および財政拡張路線が継続するため、日経平均5万円は通過点であると見ています。
- この強気の長期見通しは、公明党が連立離脱を示唆し、日経先物が2,400円下落したタイミングで記事を執筆した際も変わっていません。
- 政局は数時間ごとに刻々と変化していますが、高市路線または玉木路線が継続されるならば、日本株の大きな枠組みは変わらないと分析しています。
- 公明党の連立離脱後の株式市場の調整は、急ピッチで上昇してきた日経平均にとって、継続的な上昇に必要な「冷却期間」として捉えられています。
2.2.自民・維新の連携と関連銘柄の動向
- 動画収録時点(10月16日木曜日)の状況として、自民党の高市氏と維新の連立・連携が濃厚であるとされています。
- 維新が総理指名選挙で高市氏を擁立する方向性になっていると見られています。
- 高市氏が維新の支援を受ける場合、維新の主要政策である**「副首都構想」**を一つ飲むのではないかと推測されています。
- この動きを受け、10月16日のマーケットでは、副首都構想関連の銘柄が上昇しました。具体的な銘柄として、阪急阪神、京阪ホールディングス、南海電気鉄道などの近畿圏の企業や、建設企業(例:南海辰村建設)などが挙げられています。
- 市場は、東京のバックアップ機能として大阪に拠点が置かれることによる建設需要の高まりを織り込んでいると解説されています。
2.3.日本企業の基盤的な強さ
- 日本株には、政治と切り離した企業独自の強みがあることが強調されています。
- 日本企業は成長のエンジンを加速させており、配当や自社株買いに積極的です。自社株買いは10兆円超え、上場企業の配当総額は19兆円を超え、2026年3月期には20兆円近い見込みです。
- 日経平均の一株当たり利益(EPS)は足元で約2,550円ですが、来期は約2,700円(約10%増益)が見込まれており、上方向を示しています。
- 日銀短観によると、企業の設備投資意欲は非常に強く、2025年(全規模・全産業、ソフトウェア・土地除く)の設備投資計画値は+9.5%と強い計画になっています。
- 日銀短観の想定為替レート(145円68銭)が現在の市場レート(150円超え)より大幅に円高であるため、製造業や輸出企業の採算面で利益の上ぶれ余地があることも、日経平均の上値余地になると分析されています。
- 企業は賃上げの動きもあり、経済を冷やすような政権にならない限り、日本経済の強さは続くと考えられています。
2.4.海外から見た日本の政治家の評価
- 海外メディアにおける政治家・政党の報道のニュアンスが紹介されています。
- 高市氏(高市総裁):海外では「Conservative Nationalist」(伝統と国益を重んじる現実的な保守政治家)と表現される記事がありました。
- 立憲民主党:「センターレフト」(中道左派、リベラル寄り)だが、決断力には疑問符が付くこともあると報道されました。また、安保法制の廃止や原発ゼロなど、国民民主党とはスタンスが真逆で隔たりが大きい点が指摘されています。
- 国民民主党(玉木氏):「センター中道右派のポピュリスト政党」または「Pragmatic Economics」(プラグマティック・エコノミクス:経済的現実主義)と表現され、経済的に現実路線であり、国民生活の感覚に近い大衆寄りの生活を現実的に実行する政党と評価されています。
投資戦略(ラッセル2000)の成果
- 過去の動画で推奨していた小型株指数「ラッセル2000」について、高値更新したことが報告されました。
- 推奨理由:アメリカが利下げ方向にあるため、割安な小型株に資金が流入する可能性があり、アメリカ株のポートフォリオを広げるのに適していると分析していました。
- ラッセル2000は、ダウやS&P 500を持つ投資家が次なるポートフォリオとして追加するのに相性が良いと説明されています。
- 注意点として、景気後退リスクが高まると、大型株よりも先に売られるリスクがあることが過去に伝えられています。